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迷いがないわけじゃなかった。
琉生に触れて欲しい。
琉生のキスが欲しい。
私だって、琉生の全てが…。
でも、私に幸せが許されるわけない。
自分を許せないのは、他でもない、私。
でも、汚れた過去も、身体も消せない。
琉生…
私
幸せになれる?
幸せになっていい?
月島「ユキ…」
月島の声が、耳元で聞こえた、その刹那…
ユキの身体は、月島を受け入れていた。
ユキ「琉生…っ!」
仰け反るユキの身体を優しく支えながら、月島は進んでくる。
甘い吐息交じり合いながら、ユキの手首を押さえる月島の手は開かれ、ユキと手を絡める。
ユキ「琉生…。好、き…」
月島は、絡め合う手に力を込める。
好きと言った、ユキの瞳が潤んだまま、月島を見つめる。
月島「煽らないでくれ…、ユキを…壊しそうだ」
ユキ「…いい。…琉生にだったら…」
激しさを増す月島に、ユキは身を預ける。
ユキ「もう…だめ」
後戻りは出来ない。
私と琉生の気持ちが繋がって
私の全てを見せて
琉生の全てを知った。
愛しさが溢れ
優しさが交じり
幸せを感じて
離れたくない。
…そっか。
これが、幸せなんだ。
目に見えない
形なきもの
目に見えなくて
形がないんだから、そんなもの
ないと思ってた。
でも
確かに
ある。
目で見ようとしないで
形を探さないで
心で感じて。
愛
幸せ
優しさ
琉生が与えて、教えてくれた。
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