ユキと月島の2週間

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目の前には、宝石を散りばめたような夜景が広がっている。 月島「これが函館の夜景…」 ユキ「きれいよね。 北海道は空気が澄んでて、さらにきれいに見えるでしょ?」 月島「来たことあるのか?」 ユキ「しょっちゅうよ。 一人になりたい時には、最適な場所だわ」 月島は、夜景を見ながら言った。 月島「確かにな」 そして、ユキに目を移す。 月島「ユキ」 ユキ「何?」 ユキは月島を見る。 月島「抜糸が済んだら…、一緒に戻って欲しい。 以前の俺とユキの生活に」 ユキは、夜景へと目を戻す。 ユキ「簡単には頷けないわ」 月島は、ユキを見つめる。 ユキ「今の仕事を簡単に辞めるわけにもいかないし… それに…琉生にとっては、何でもないことでも、私にとったら、琉生のそばにいることには覚悟がいるの」 月島「覚悟?」 ユキ「そうよ」 月島「何の覚悟だ? 誰にも邪魔はさせない。 やっと…、やっと、ユキをこの手にしたんだ」 ユキは小さく微笑む。 ユキ「飛行機は何時? 行けたら… 覚悟が出来たら…行く」 月島「二日後の13時…」 ユキ「期待しないでてね…」 月島は、そっとユキを抱き締める。 月島「愛してる」 ユキ「知ってる」 二人は見つめ合い、唇を重ねた。 .
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