トラブル

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翌朝、ユキが起きると、屋敷内が慌ただしい。 ユキは厨房に行くと、シェフに尋ねた。 ユキ「何かあったの?」 「月島様の仕事の関係で、何かトラブルがあったらしい。 朝食しながら、ミーティングになったぞ。 月島様の会社のお偉いさんが来るから、準備してくれ」 ユキ「ふーん…」 目覚めのコーヒーを準備して、ユキは月島の部屋へ向かった。 ユキ「朝のコーヒーをお持ちしました」 ユキが部屋に入ると、月島は電話を片手に資料らしきものを見ていた。 ユキの方へ目をやるものの、電話の相手と話し続ける。 月島「分かった。 そっちは何とか止められそうか? 至急、動いてくれ」 ユキは、月島の横顔を見る。 焦っているような、困っているような表情だった。 昨夜の月島とは別人に見えた。 ユキは、コーヒーをセットすると、部屋を後にする。 そして、朝食の準備に取り掛かる。 しばらくすると、重役と思われる人たちが集まり始める。 ユキは、コーヒーを出した。 「社長は?」 重役の一人が、焦ったように切り出す。 重役と言っても、若い人が多い。 みんな、20代30代といったところだろうか… ユキ「皆様、朝早くから、お疲れ様でございます。 月島は、只今、電話対応中でございます」 ユキは、微笑んだ。 性格に問題があったとしても、淡麗な顔立ちのユキを、重役たちは目で追う。 ユキ「皆様のお飲み物をお伺いしても宜しいですか?」 「あ、あぁ。俺はコーヒーで」 「俺は、紅茶で」 重役たちは、次々と飲み物を言った。 ユキ「かしこまりました。少々、お待ち下さい」 ユキは、厨房に戻る。 「あんなメイドいたっけ?」 「いや、今までは執事だったような…」 「社長の趣味か?」 「さあな」 重役たちが話をしていると、月島が入って来る。 重役たちは、席を立つ。 「社長、おはようございます」 月島「あぁ、座れ」 重役たちは、座る。 ユキが言われた飲み物を持って、戻って来る。 .
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