続編

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翌朝。 ダイニングルームに入って来た琉生は足を止める。 ユキ「おはようございます」 琉生「何のマネだ?」 メイド姿のユキを見て、琉生は解せない表情をした。 英一「私が雇った」 ユキ「おはようございます。旦那さま」 ダイニングルームに現れた英一に、琉生はイラついたように言う。 琉生「彼女が働く必要はない」 英一「働かないなら、この家にいられないだろ」 琉生「何故だ? 部屋は腐るほどあるじゃないか」 英一「タダ飯を食わせるつもりか」 琉生「言い方があるだろ」 ユキは、英一の前にコーヒーを出す。 琉生の前には紅茶を置いた。 ユキ「私には、帰る場所がございません。 置いて頂ける以上、誠心誠意、尽くさせて頂く所存です」 琉生は、イラついた表情のまま、紅茶を口にする。 琉生「ユキは、俺の会社で働いてもらう」 英一「思いつきで、そんなこと言うもんじゃない」 琉生「メイドさせるよりはいい」 英一「血縁関係もなければ、何の借りもない。 わざわざコネを作る必要はない」 琉生「いずれ、家族になる」 英一「その話は終わったはずだ」 英一は、立ち上がる。 ユキ「旦那さま。お食事は?」 英一「いらん。 ユキ。食事の片付けが終わったら、私の仕事部屋の掃除をしてくれ」 ユキ「かしこまりました」 朝食後、琉生は会社へ。 ユキは、英一の仕事部屋をノックして入る。 家を出る時の琉生の表情が怒ってて、ユキは肩を落とす。 仕事部屋の奥では、英一がパソコンと向き合っている。 あまり埃をたてるのは良くないと思い、本棚から拭き始める。 難しいビジネス本が並び、ユキは本を濡らさないように、拭いていった。 英一「琉生を落とすのは簡単だったか?」 いつの間にか、すぐ後ろに立つ英一にユキは身体を固くする。 ユキ「旦那さま…。私と琉生は…」 英一「どうやって、あいつを手に入れた?」 英一は、ユキの肩を指でなぞる。 ユキ「旦那さま」 英一「あいつにしたように、私にもしてみてくれないか」 .
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