続編

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「こちらが、旦那様のもので、こちらが、琉生様のです」 ユキは伝票と洋服を確認した。 ユキ「ご苦労様でした」 「あ、そうだ、これ」 クリーニング屋は小さなビニール袋を取り出した。 中には、小さな指輪が入っている。 「琉生様のポケットに入ってました」 ユキ「やだ、気付かなかったわ…。ありがとうございます」 ユキは指輪を受け取る。 どう見ても 女もの…。 玄関先で溜め息をついていると、後ろから声がする。 英一「また、あいつの女グセの悪さが出たか」 英一は、鼻で笑うと去って行った。 その背中を見ながら、ユキは肩を落とす。 その夜 ユキは、琉生の帰りを待つ。 時々、うとうとしては、目をこすって、目を覚ました。 そして 夜中の1時を回った頃、琉生は帰って来た。 琉生「ユキ?」 琉生の部屋にいるユキに驚きながら、スーツを脱ぐ。 琉生「寝なくていいのか?」 ユキ「あ、うん。大丈夫」 琉生「風呂さ…」 琉生は言いにくそうに、ユキから目を反らす。 ユキ「…うん」 琉生「…一緒に入るか?」 ユキ「へ!?」 琉生「だから…一緒に入るかって」 ユキの表情が、ぱっと明るくなる。 ユキ「うん!」 .
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