続編

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翌日の朝食中、ご機嫌に英一が口を開く。 英一「今日の夜、琉生が戻って来る」 ユキと直輝は止まる。 そして、直輝はユキを見る。 一瞬の間の後、ユキは微笑んだ。 ユキ「かしこまりました」 空いたお皿を持って、厨房に行くユキ。 朝食を終えて、部屋に戻る英一。 直輝「何を企んでる…」 厨房に行くと、ユキはお皿を持ったまま、窓から外を眺めていた。 直輝「どうするんだ?」 ユキ「どうもこうも…。話すしかない、じゃない…」 ユキは溜め息をつきながら、お皿を片付けた。 そして、夕方。 もうすぐで着くという連絡の入った琉生をダイニングルームで待つ。 英一は、すでにシャンパンを空けている。 ユキと直輝は、厨房近くの扉の近くで並んで立つ。 ユキは高鳴る鼓動を誰にも悟られないように、深呼吸した。 琉生に…会える。 気持ち悪さが時々、襲ってきて、ユキは胸を撫でる。 直輝「大丈夫か?」 直輝が前を向いたまま、小さな声で言う。 ユキ「ご心配なく」 その時 ダイニングルームの扉が開く。 みんなが、扉を見る。 入って来たのは、琉生。 そして、琉生にエスコートされた女性。 英一「やあ、驚いたな。宝生さんのお嬢様が、こんなにキレイな女性になっているとは!」 希保「嫌ですわ、月島様」 その女性は、コロコロと笑った。 英一は、ユキと直輝を見る。 英一「二人にも紹介しておこう。 こちらは、宝生家のご令嬢で希保さんだ。 琉生の婚約者だ。失礼のないようにな」 直輝は、拳を握った。 そして、自分の気持ちを押し殺すように頭を下げた。 直輝「かしこまりました」 ユキも、動揺した気持ちを悟られないように、頭を下げた。 頭を下げると、涙がこぼれそうになって、頭が上げれない。 直輝「ユキ」 ユキ「…大丈夫」 ユキは何とか頭を上げた。 軽いめまいに襲われながら、何とか持ちこたえる。 琉生は、無表情でシャンパンを飲んでいた。 .
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