続編

36/92
前へ
/207ページ
次へ
ユキ「宝生様は、どうするんですか? 私に付いて行ったなんてことが知れたら、お怒りになります」 琉生「彼女とは婚約解消する」 ユキ「駄目です!」 琉生「何故だ?」 ユキ「女性の気持ちを何だと思ってるんですか!? 女性を傷付けてはいけません」 琉生「それは、さっきも聞いた」 ユキ「宝生様を愛してあげて下さい」 琉生「無理だ」 ユキ「だったら、何で…何で婚約なんか」 琉生「お前を選べないのなら、誰でも一緒だったからだ。 親父に貸しもある。 親父の言いなりになった」 ユキは、涙を堪えて、首を振る。 琉生「俺がバカだった」 ドアの方でため息が聞こえ、二人は振り返る。 直輝「琉生様。宝生様がいらしてます。お約束があるようですが?」 琉生「今は行けない。ユキの具合が悪い」 直輝「そのような理由が通用するとは思えません。 ユキは、私が。」 ユキ「行って下さい。お願いです」 琉生は、下唇を噛むと、立ち上がった。 琉生「すぐ戻る」 そして、部屋を出て行った。 直輝「大丈夫か?」 ユキ「うん。…でも」 直輝「でも?」 ユキ「私、やっぱり、ここにはいられない。 …いちゃいけない」 直輝は、ため息をつく。 直輝「出て行くのか?」 ユキ「その方がいい… 旦那様も、私が邪魔だと思うから、反対はしないだろうし」 直輝「…そうか」 ユキ「ごめん。仕事、増やしちゃうね」 直輝「お前の介抱をしなくて済むんだから、仕事は減る。 心配するな。 それに俺も、いずれここを辞める」 ユキ「え…?」 .
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加