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ユキは、必要最低限の荷物を持って歩く。
琉生には、前を向いて生きてもらうの。
会社も
月島家も
琉生が担っていくの。
琉生が、みんなを幸せにするの。
そのためには
私が傍にいちゃいけない。
琉生、どうか私を…
私を忘れて。
「その荷物、持ってあげるよ」
ユキは、振り向く。
蒼井「どこ行くの?
そんな大荷物で」
ユキ「蒼井さん…
私、メイド…、やめてきました」
蒼井「へぇ~。また何で?」
ユキ「琉生のためです」
蒼井「ふう~ん?」
蒼井は何かを考えているような仕草をしていたが、ぱっと笑う。
蒼井「じゃあ、うちにおいでよ!」
ユキ「え?」
蒼井「部屋いっぱいあるし!」
ユキ「でも私、今、体調を崩してて、働けないんです」
蒼井「働かせる気はないから大丈夫!
妊婦さん相手に、そこまで非道じゃないよ?僕」
ユキ「えっ!?
何で、それを…!?」
蒼井「安心して。
琉生には言ってないし、言わないから。
うちにいることも、バレないようにするよ!
だから、ね!?」
ユキ「…悪いです」
蒼井「じゃ、決まりだね!」
蒼井は、ユキの持つ荷物を持った。
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