続編

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月島邸の客間に、平手打ちの音が響く。 希保「バカなこと言わないで!!」 琉生「すまない。全て、俺のせいだ。 どんな罰でも、甘んじて受ける。 だから、婚約は解消して欲しい」 希保「こんなメイドごときに、社長夫人の座を取られるなんて、私のプライドが許さないわ!」 琉生「彼女は、俺の子供を妊娠してる」 英一「!!」 希保「なっ!何ですって!? おじさまからも、何か言って!」 視線を向けられた英一は、頭を抱えながら、静かに溜め息をつく。 英一「これは、宝生家と月島家の関係を揺るがす自体だぞ。 分かってるのか?」 月島の隣で、ユキは目を伏せる。 琉生「分かってる。 俺はユキと、ここを出ていく。 親父と俺は、親子の縁を切る。」 ユキ「琉生、」 琉生の腕を掴むユキを、琉生は制する。 琉生「それで示しがつくだろう」 ユキ「琉生。駄目だってば」 琉生は、涙目のユキを見つめる。 琉生「ユキ。これが俺の覚悟だ」 ユキは、首を横に振る。 琉生「会社もいらない。 俺がいなくても、優秀な奴らが集まってる。 きっと、やっていける」 希保「会社を手放して、月島家とも縁を切ったら、その女だって、付いて行かないわ。 私だって、会社もない、家柄もない男なんて、願い下げよ!」 琉生「ユキは付いてくる」 希保「分からないじゃない!」 琉生「希保には、分からないさ。でも俺には分かる」 琉生は、ユキと向き合う。 琉生「家柄もない、会社も持たない俺でも、付いて来てくれるか?」 ユキの目から涙が溢れる。 ユキ「どんな琉生でも…ずっと一緒にいたい。 分かってるんでしょ?」 琉生は優しく微笑む。 琉生「ああ。分かってる」 そして、琉生は顔を上げる。 琉生「親父、今までありがとう。 ずっと、言いなりで来たのに、今回だけは無理だったんだ。 希保も…すまなかった」 琉生は、ユキの手を取ると、部屋を出て行く。 英一「ちょっと待て!」 .
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