続編

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ユキは急いで起き上がると、トイレへ駆け込んだ。 そして、全てを吐き出す。 琉生「ユキ、大丈夫か?」 琉生は、ユキの背中をさする。 ユキ「一体、あのお粥に何を入れたの!?」 琉生「貧血には、何がいいか、蒼井に聞いたんだ。 そしたら、体力もつくし、肉じゃないかって」 ユキ「でも、食感が肉じゃ…」 琉生「だから、肉屋に行って、一番、鉄分があるのはどれかって聞いたら」 ユキ「聞いたら?」 琉生「レバ刺しだって…」 ユキ「うっ…!」 ユキは食感と味を思い出し、また吐き出す。 ユキ「二度と、あれを私に見せないで」 殺気だつ、ユキに琉生は誓う。 琉生「わ、分かった。二度と」 そして、翌朝。 ユキが起きると、琉生はすでに起きて、蒼井が置いてった書類を前に、頭を抱えていた。 ユキ「どうしたの?」 琉生「あ、いや。 あいつ、今までの処理の仕方が、ずさん過ぎて、…。 まったく、どこから手を付けていいか分からないくらいなんだ」 ユキ「やり直してあげれば?」 琉生「まさか! どんだけ時間がかかると思ってんだ」 ユキ「…やり直してあげれば?」 琉生は溜め息をつく。 琉生「やり直すには、一度、あいつの会社に顔を出さないとならない」 ユキ「私は平気。行って来て」 琉生「あ~!もう!」 琉生は頭を掻き乱すと、ユキを抱き寄せて、自分の膝に座らせる。 琉生「ユキと過ごす時間を何で、蒼井と過ごさなきゃならないんだ。ったく…」 ユキは笑う。 琉生も微笑んだ。 ユキを自分の膝に座らせて、後ろから、ユキのお腹にそっと手を回す。 琉生「まだ分からないな」 ユキ「そりゃそうよ。まだ、何㎝の世界だよ?」 琉生「そうか」 琉生は、ユキの髪に顔を埋める。 伸びてきた、ユキの髪をわけて、首筋にキスを落とす。 ユキ「くすぐったい」 琉生「愛してる」 ユキ「私も」 琉生は、ユキを自分の方に向けて、唇にキスをする。 二人離れていた時間を埋めるような、熱いキス。 琉生の唇は、ユキの首筋へと這う。 ユキ「駄目…だってば。 先生が、安定期になるまで、控えなさいって…」 琉生「充分、控えてる」 どんどん進む琉生の唇から、ユキは逃げて、琉生の膝から降りる。 ユキ「もう。」 .
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