続編

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琉生は、もうすでに、泣きじゃくっているユキを抱き締める。 琉生「愛してるよ。ユキ」 そして、優しくキスをした。 ユキ「ご飯…冷めちゃうよ…」 琉生「お前… 人がこんだけ愛を囁いているっていうのに、返事がそれか?」 琉生は、可笑しそうに笑って、ユキを抱き締めた。 言葉にならない。 私も、琉生に囁きたい。 私が、どれだけ琉生を想ってるのか。 でも 幸せ過ぎて、言葉にならないの。 琉生。 琉生は、こんな私と向き合ってくれた人。 私の身体が傷付いたって 誰も痛くないのに 一緒に痛みを感じてくれた人。 自分を大事にしろって、 こんな私でも、幸せになれるって 琉生が教えてくれた。 琉生の家も、お金も地位もいらない。 琉生だけがいてくれれば 私は、地の果てにいたって幸せ。 そして、琉生は持っていた封筒から用紙を取り出す。 出て来たのは、婚姻届。 すでに、琉生の記入は済んでいる。 琉生「親父には、婚姻届を出すこと、一方的に切られたが、一応、電話で報告はしてある。 お腹の中に赤ちゃんもいるし、式はいつ挙げたい?」 ユキ「式は、いいよ。 式は、いつか旦那様が許してくれる日が来たら。 そしたら、挙げよう」 琉生「そっか。そうだな」 ユキは、婚姻届に記入した。 琉生「よし!じゃあ、食べよう!」 ユキ「うん」 琉生は、あまり食べれないユキの分まで、よく食べた。 食後のケーキを食べながら、琉生は口を開く。 琉生「蒼井の経理管理が全然なってなくて、しばらく、蒼井の会社に通わなくちゃならない。 昼間、一人で平気か?」 ユキ「大丈夫。蒼井さんの力になってあげて」 琉生「早く、家で経理が出来るようにするよ」 ユキは正直、ほっとする。 琉生と、片時も離れずに一緒にいたいけど、いればいるほど、自分の醜態を見せることになる。 一人なら、どんなに苦しくても、誰にも見られることはない。 ユキは、ケーキをつつきながら、微笑んだ。 .
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