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個人情報流出の事件から、システムの凍結は続き、記者会見までひらき、月島の会社のダメージは日を追うごとに大きくなっていく。
月島は、朝早くから、夜遅くまで、会社にこもっていた。
そんな月島を送り出した朝…
月島邸にインターホンの音が響く。
ユキ「は~い!」
扉を開けると、月島の会社の重役が一人、立っていた。
確か、この男…
コーヒーを出した時に「ありがとう」って言った男だ。
ユキは、営業スマイルを向ける。
ユキ「おはようございます。
月島は、出勤致しました」
「社長が書類を忘れたようなんだ。
取りに行くように頼まれてね。
社長の部屋はどこかな?」
ユキ「そうでしたか。
では、わたくしが持って参ります。
どういった書類ですか?」
「君には分からないよ」
この男…
ユキは、男を月島の部屋に案内する。
「ありがとう。あとは探せるから、下がってて」
ユキ「かしこまりました」
ユキは、ドアを閉めて離れると、月島に電話する。
月島「何だ?」
ユキ「書類、忘れた?」
月島「何の話だ?
まだ家を出たばかりだぞ」
ユキ「やっぱり」
月島「おい!」
ユキは、電話を切ると、月島の部屋に戻った。
そして、ノックもせずに、ドアを開ける。
ユキ「そろそろ、尻尾を出すんじゃないかと思ってたのよ」
あちこち、開けて漁る男は手を止める。
「…なるほど。気付かれてたってわけか」
男はユキに近付く。
「こうしないか。
お互い、手を組んで、月島を潰そう。
そして、月島から財産を奪う。
莫大な金が入るぞ」
ユキ「弱肉強食の世界。魅力的だわ」
「そうだろ?」
ユキ「でも、お断り」
「何?」
ユキ「アンタには、魅力がないわ。
ツメの甘さもあるし」
突然、ユキの視界がぶれる。
ユキは、床に押し倒されていた。
「魅力がないかどうか、確めてからでも遅くはないだろう?」
男は、ユキのメイド服を破いていく。
ユキは、男に平手打ちをして、抵抗する。
ユキ「タダで抱かれるような女じゃないんだよ!」
「金か?金なら、いくらでも出してやる!」
ユキ「ふざけんな!抱かれる男くらい、自分で選ぶわ!」
男の手は、ユキの素足を這っていく。
ユキ「やめて!!」
ユキの叫びは悲鳴に似たものだった。
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