続編

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しばらく、他愛のない話をしてから、奏たちは帰っていった。 帰り道、奏たちは家路を急ぐ。 仁「しっかし、この辺、林に囲まれてて、夜なんか危なくねぇか?」 榊「いいじゃないですか。 自然に囲まれてるっていうのは、いい環境ですよ」 その時、向かい側から、一台の車が来るのが見えた。 奏と榊は世間話をしていたが、運転している仁は、車を少し端に寄せる。 挨拶もなく、すれ違い去る車の運転手を仁は、見た。 仁「ん?今の男、どっかで…」 奏「おい、仁。あまり端に寄るな」 仁「ん?あぁ」 仁は、首をかしげながら、一本道の車道の中央に寄せた。 その頃。 ユキは、琉生にメールを打っていた。 ユキ「大神さんたちが来たことだけ伝えて、あとは、お楽しみにしておこう」 含み笑いをしたユキだったが、またいつもの吐き気を催し、トイレへ駆け込む。 ユキ「はぁ…」 トイレから出てきたユキは、溜め息をつく。 ユキ「そろそろ、また早めにご飯の支度しなきゃ…」 ピンポーン 突然、ドアチャイムが鳴る。 ユキ「? 大神さん、何か忘れ物かしら?」 ユキは、玄関に向かい、ドアを開けた。 ユキ「!!」 社長「会いたかったよ、ユキ」 ドアの向こうに立っていた人物… それは、琉生と出会ったばかりの頃、ユキは自分の兄の医療費のため、身体を売っていた。 ユキの身体を買っていた社長。 社長の性癖は異常とも言えた。 ユキの意識がなくなってからしたり ユキの身体を、とことん傷付けた。 ユキの身体には生傷が絶えなかった。 縁は切れたはずだった。 なのに、なぜ… ユキは、震える身体で何も言わずに、ドアを閉めようとする。 ガツ! 社長はドアを間に足を挟む。 社長「冷たいじゃないか、ユキ」 .
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