続編

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数時間前。 ひどい暴力を受けて、奏たちによって、病院に運ばれたユキは、検査や処置をした。 そして、終わった後、病室で寝かされる。 しばらくすると、医師がやって来た。 「検査の結果ですが、まず始めに、赤ちゃんは大丈夫です」 ユキ「良かっ…た…」 ユキは、お腹に手を当てながら、涙を溢した。 ユキ「良かった…」 奏も、安堵の溜め息をつく。 医師「あと、怪我をされた箇所は、打撲はありますが、骨折まで至るものはありませんでした。 赤ちゃんもいることですし、今日1日は念のため、入院して下さい」 ユキ「分かりました…。ありがとうございます」 医師は頭を下げると、病室を後にした。 奏「月島には、連絡した。 こっちの話を最後まで聞かずに、電話を切りやがった」 榊「今頃、生きた心地がしないくらい走って向かってるんでしょうね」 ユキは、痛む身体を起こして、奏たちに向き直る。 榊「いけません。 まだ横になってて下さい」 ユキ「大丈夫です。 それより…、お願いがあります」 奏「お願い?」 ユキ「きっと、琉生が私の身体の傷を見たら、傷付きます。 だから、傷が治るまで、琉生には傷を見せずに過ごしたいんです」 仁「無理だろ」 ユキ「やれると思うんです。 だから、傷の事とか、打撲の事は、琉生には言わないで欲しいんです。 お願いします」 ユキは、頭を下げた。 奏「男にとっちゃ、惚れた女に隠し事される方が傷付くんじゃねぇか?」 ユキ「でも今は、琉生にとって、仕事で大事な時です。 どうか、お願いします」 そして、廊下に走る足音が響いてきた。 仁「来たな」 バンッ!! 病室のドアが開き、血相を変えた琉生が飛び込んで来た。 琉生「ユキ!!」 ユキ「なに?」 痛みを押しての、ユキの強がりが始まった。 .
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