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それから、ユキの体調は、みるみる良くなり、つらかったツワリの時期を乗り越えた。
ユキ「よぉ~し!食べよう~!」
ユキの前には、ユキを凝視する琉生の姿。
ユキは、フォークにサラダを突き刺し、大きな口を開けて頬張った。
ユキ「う~ん、ウサギになった気分!美味し~!」
琉生「ウサギ?ヤギの間違いだろ?」
ユキは、軽く琉生を睨む。
そして、今度はステーキにフォークを突き刺し、頬張った。
琉生「違うな…。野獣か」
ユキ「手を出して」
琉生「嫌だね。
俺の手、食べる気だろ」
ユキは、琉生の顔の前にフォークの尖端を向ける。
ユキ「ご名答。さすがね」
琉生は、鼻で笑う。
その後もユキは、みるみるお皿を空にしていく。
そして、よく食べるからじゃなく
ユキのお腹も、プックリしてきていた。
琉生は笑う。
ユキ「何よ?」
琉生「いや。良かったよ」
ユキ「何が?」
琉生「無事に安定期に入って、ユキの体調が良くなって」
ユキ「ありがと」
琉生「え?」
小さな声が聞こえて、琉生は聞き返したが、ユキは笑いながら、食器をキッチンに戻しに立った。
琉生「お前今、ありがとうって言っただろ?」
ユキ「そう?」
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