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その後、ユキとお腹の赤ちゃんは順調に経過し、季節は冬になった。
街が、クリスマスのイルミネーションで輝く頃。
ユキは臨月を迎えていた。
ユキ「クリスマスに産みたいな~!」
琉生「クリスマス?
クリスマスって言ったら、明後日じゃないか」
ユキ「だって、お医者様は、もういつ産まれてもおかしくないって」
琉生「クリスマスが誕生日なんて、可哀想だ。
誕生日プレゼントと、クリスマスプレゼントが一緒になっちゃうだろ?」
ユキ「じゃあ、じゃあ、こういうのは!?
私が、誕生日プレゼントあげるから、琉生はクリスマスプレゼントをあげるの!」
ユキは嬉しそうに笑った。
琉生は、ソファに寝そべりながら、ユキを抱き寄せる。
ユキ「わ!危ない!ちょっと!もぅ…」
琉生はユキの後ろから、お腹を撫でる。
琉生「もうすぐだな。もうすぐで会える」
ユキ「きっと、すっごく可愛いよ」
琉生「そうだな。
お前と、腹ん中の子には、感謝してる」
ユキ「感謝?」
琉生「よくここまで育ってくれた」
ユキは笑う。
ユキ「育ってって…。まだ産まれてもないのに」
琉生「そうだな。
でも、腹に抱えて大変だったろ?
夜もよく眠れないみたいだったし」
ユキ「知ってたの?」
琉生「あぁ。だから、抱き締めて眠っただろ?」
ユキ「そっか。
ありがとう」
ユキは振り向いて、琉生にキスをした。
琉生「よく動くか?」
ユキ「すごい活発だよ」
琉生「誰に似たんだ?」
ユキ「さあ」
二人は笑い合った。
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