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待合室に戻って来た琉生を見て、2本目のコーヒーを飲んでいた蒼井はムセる。
蒼井「お、お前、外行って、雪で遊んで来たのか!?」
蒼井は、立ち上がると、琉生の髪や肩に付いている雪を払う。
蒼井「ったく、雪男にでもなるつもりか」
琉生「いや…」
その時、突然、大きくて、生命力に溢れた赤ん坊の声が響く。
琉生「!!」
蒼井「琉生!う、産まれたんじゃないか!?」
琉生と蒼井は、分娩室の入口に駆け寄る。
ほどなくして、分娩室の扉がゆっくり開かれた。
そこには
そこには
産まれたばかりの赤ちゃんを抱いた助産師が立っていた。
「おめでとうございます。月島さん」
琉生と蒼井は、赤ちゃんの顔を覗き込む。
蒼井「可愛いじゃん」
琉生「あぁ」
赤ちゃんは、またすぐに泣き始める。
「あらあら、もうママのおっぱいが欲しいのね」
琉生は、はっと我に返り、分娩室の中に駆け込んだ。
そして、引かれているカーテンを勢いよく開ける。
琉生「ユキ…」
分娩台横のベッドに寝かされたユキ。
琉生「ユキ!」
傍に行って、ユキの手を握ると、閉じていたユキの目が開く。
琉生「ユキ」
ユキ「琉生…」
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