続編

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翌日。 面会時間と同時に病室に駆け込んだ、琉生。 ユキは、花に囲まれていた。 琉生「ユキ!」 息を切らす琉生を、ユキは寝たまま見る。 ユキ「一体、どうしたの?」 琉生「大事なことを聞き忘れたんだ」 ユキ「何?」 琉生「赤ん坊は、男の子だったのか?女の子だったか?」 ユキ「…ぷっ!あははっ!いたたたた… もう琉生!笑わせないで!傷が痛いの!」 琉生「わ、笑わせたつもりはない!」 ユキ「自分の子供の顔まで見たのに、分からないの~?」 ユキは、わざと意地悪な笑みを浮かべる。 琉生「分かるか!赤ん坊なんて、みんな同じにしか見えない」 ユキ「女の子よ」 琉生「…女の子」 ユキ「可愛い、可愛い、女の子。 でも、ゆくゆくはお嫁に行っちゃうね」 琉生「嫁になんかやるか」 不服そうな表情をした琉生は、ユキの傍に座る。 琉生「傷、痛むか?」 ユキ「うん。 収縮剤使うんだけど、もう激痛…」 琉生「大丈夫か?」 ユキ「大丈夫。歩かないと、赤ちゃんの所まで行けないしね」 琉生「連れてきてくれないのか?」 ユキ「無理よ。私だけ特別ってわけにはいかないわ。 ここは、赤ちゃんがお腹空かせたら、ママが呼ばれるっていうシステムなの」 琉生「ユキは特別だ。 俺が、上と話をつけてきてやる」 立ち上がる琉生をユキは止める。 ユキ「だーめ。みんな一緒」 琉生「だが…」 ユキ「いいの」 琉生は、諦めたように座る。 ふと見ると、病室は溢れんばかりの花々で埋め尽くされている。 琉生「この花たちは?」 ユキ「朝早くから、色んな所から、届きっぱなしよ」 琉生は花の近くへ行く。 琉生「大神…、蒼井…、瀬名翔、咲…、蒼井真央… みんなもう知ってるんだな」 ユキ「蒼井さんね、きっと」 琉生「ああ」 琉生は、一輪の花を取ると、ユキの左耳に差した。 ユキ「なあに?」 琉生「愛してる」 ユキ「どうしたの?」 琉生「どうもしないさ」 そして、静かなキスを交わした。 .
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