続編

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そして、ユキと赤ちゃんの退院前日。 琉生は、仕事を早めに切り上げ、家の掃除を始める。 明日は、ユキと赤ちゃんが帰って来る。 琉生「埃1つ残さないようにしないとな」 そう言いながらも、今まで掃除などしたことのない琉生の手際は恐ろしく悪い。 尚且つ、ユキが入院していた間は放置されっぱなしの部屋。 その他にも、ベビーベッドの組立もしなくてはならない。 哺乳瓶の消毒も準備しなければ。 ベビー用品は沢山買ったが、まだ袋の中に入れっぱなし。 その時、琉生の携帯が鳴る。 見ると、奏からだった。 琉生「もしもし?」 奏「琉生、お前、今どこにいる?」 琉生「家だが?」 奏「今から、出産祝いが届くから、受け取れ」 琉生「ちょっと待て。 祝いなら、この前もらったばかりだ」 奏「あれは、門出祝いだよ」 琉生「同じだろ」 奏「ごちゃごちゃ言うな。じゃあな」 そして、電話は切れた。 と同時に、チャイムが鳴る。 琉生「もう来たのか?」 琉生がドアを開けた。 咲「こんばんは」 そこには、微笑んだ咲が立っていた。 咲の後ろを見ると、翔と真央、達也も立っている。 琉生「あ、赤ん坊はまだ…」 翔「存じております」 咲「明日ですよね? 準備、大変かと思って、手伝いに来たんです」 翔「ご迷惑を承知で」 真央「迷惑なの!? 迷惑なら帰りましょうよ」 達也「お手伝い出来ることがございますか?」 琉生「あぁ。助かるよ。 そうだ、ユキに花をありがとう」 みんなが微笑む中、真央だけが鼻で笑う。 真央「お兄ちゃんの言う通り、本当に変わったわね。 あなたの口から、お礼が聞けるなんて思ってなかったわ」 .
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