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次の日。
ユキは琉生に連れられて、赤ちゃんと共に家に戻って来た。
ユキ「やっぱり、落ち着くな~!」
琉生「寝室に、ベビーベッドもあるし、ユキがすぐに横になれるように、布団もシーツもキレイにしてあるから、横になるか?」
ユキは、疑いの眼差しを向ける。
ユキ「家の中もすごくキレイだし、寝室までホテル並にキレイ。
これは、琉生の仕事じゃないわね?」
琉生「バレたか。
昼過ぎには、人が集まり出す」
ユキ「え?お披露目会は夜でしょ?」
琉生「瀬名と、蒼井の執事…、達也だっけ?が、お披露目会の準備に来てくれるんだ」
ユキ「えぇっ!?そんなの悪いわよ!
準備なら、私が…」
琉生「し~っ!
赤ん坊が起きるだろ?」
二人で、ユキの腕の中で眠る赤ちゃんを覗き込む。
小さな拳を握りながら、すやすやと眠っている。
ユキは、琉生を睨む。
ユキ「いい加減、この子の名前を教えて」
琉生「ユキが横になったらな」
ユキは、しぶしぶ寝室に行くと、 ベビーベッドに赤ちゃんを寝かせる。
琉生「おいで」
ユキは、差し出される手を取る。
そして、二人はベッドに座る。
ユキ「すごい、ふかふか。
さすが、翔さんの仕事だわ」
琉生「うるさい」
ユキ「何、怒ってんのよ?」
琉生「何で、ここで他の男の話をするんだよ」
ユキ「あ~、なんだ。ヤキモチか」
琉生「うるさい。
寄りによって、瀬名翔の話なんて」
ユキ「私が翔さんのことを好きだったのは、随分前のことよ?
それより、いいから、赤ちゃんの名前教えて」
琉生は、ため息をつくと、気を取り直す。
そして、ユキの手のひらに指で、赤ちゃんの名前を書いていく。
ユキ「いい名前!!イブに産まれたからね!?」
琉生「ああ」
二人は笑い合うと、すやすやと眠る赤ちゃんを見た。
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