続編

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お昼過ぎになると、翔、達也がやって来た。 琉生「悪いな」 翔「とんでもありません。ユキ様は?」 琉生「ユキ、様?」 翔「はい。 ユキ様は、月島様の奥さまでいらっしゃいます。 以前のように、お呼びすることは出来ません」 琉生「気にしすぎだ」 翔は、静かに微笑んだ。 琉生「寝室で休んでるよ。赤ん坊と一緒に」 翔「分かりました。 では、準備に入らせて頂きます」 翔と達也が仕事モードに入る。 琉生「手伝うよ」 翔「とんでもありません。 ユキ様と一緒に、少し休まれたら如何ですか? 夕方からは、引っ張りダコですよ。 今のうちに、親子水入らずでお過ごし下さい」 達也はすでに、手を動かし始めている。 …確かに。 この二人がいて、自分がいたら、足手まといになるだけだろう。 そう思い、琉生は諦めて寝室に戻った。 寝室に戻ると、ユキと赤ん坊は、すやすやと眠っている。 はっきり言って、まだどっちに似てるとか分からない。 でも、確かに、ユキと俺の血が流れている。 琉生は、椅子に座って、ベビーベッドの柵に顔を乗せたまま、うとうとしだす。 そして、いくらも眠れないうちに、赤ちゃんが泣き出す。 琉生は、はっと顔を上げた。 寝ぼけ眼のユキが、起きて赤ん坊を抱き上げる。 ユキ「よしよし。もうお腹がすく頃ね」 ユキは、自分が寝ていたベッドに赤ん坊を連れて行くと、授乳し始める。 力強く、一生懸命になって吸い付く赤ん坊を見ていると、何とも言えない気持ちになる。 これから、ずっと 何があっても 自分の命に代えてでも この二人を守っていく。 ずっと。 .
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