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駒沢家のリビングの絨毯に、血の水溜まりが出来ている。
救急隊員に翔は連れて行かれ、咲も付いて行った。
ここに残るのは、蒼井とユキ。
ユキ「警察、呼ぶんでしょ?
逃げも隠れもしないわ」
ユキは近くのソファに座って、足を組んだ。
蒼井はユキの前にあるソファに座り、向かい合う。
蒼井「呼ぶつもりないけど?」
そして、蒼井も足を組む。
ユキ「…私をどうする気?」
蒼井「働いてもらうつもり」
しばらくの沈黙の後、ユキは笑う。
ユキ「何の冗談?どういうこと?」
蒼井「冗談のつもりないけど?」
ユキ「お断り」
蒼井「勘違いしてもらっては困る。
君に拒否権はない。
警察は呼ばないけど、君がしたことは重大だ」
ユキ「…だから?」
蒼井「だから、君は僕に付いて来るしかない。
てことで、行くよ」
ユキ「嫌よ」
蒼井「だからぁ~。拒否権はないの」
蒼井はユキの手を掴むと歩き出す。
なかば無理矢理、蒼井家の車に乗せると、蒼井は車を出した。
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