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りおは、声のする方を見る。
今日は、自分が主役ではないことが分かっているのか、ずっと静かにしていた、りおの子、玲央が声を上げた。
奏「玲央、お前、妬いてんだろ?」
りお「あ、私が、いぶきちゃんを抱いてるから?」
「ダアッ!」
りお「も~、甘えん坊ね~」
そう言いながら、いぶきをユキに託す。
りお「ほら、おいで、玲央」
両手をいっぱいに伸ばして、りおに抱かれようとする玲央。
咲「可愛い~!
いいなぁ。母親って、絶対だよね」
真央「あんたも作っちゃえばいいじゃない。
結婚してるんだから、何の問題もないでしょ?」
蒼井「あ~!駄目駄目駄目!
ぜ~ったい、駄目!」
真央「お兄ちゃんは、部外者でしょ!」
蒼井「咲ちゃん。妊娠したら、絶対駄目だからね!
産休、あげないよ!」
咲「え…」
翔「大丈夫ですよ、咲。
産休をくれない会社など、辞めてしまえばいいんです」
蒼井「え!?」
咲は、わざとらしく答える。
咲「そうだね!」
蒼井「えぇ~っ!?」
真央「また茶番劇が始まった」
りお「あ!そうだ!
いぶきちゃんに、プレゼントがあるの!」
ユキ「プレゼント?」
りお「そうそう、これ!」
りおは、玲央を奏に託すと、小さな紙袋を差し出す。
りお「開けて、開けて」
まるで、自分がプレゼントされたかのように、ワクワクするりおを見て、ユキは笑いながら開ける。
ユキ「わぁ…。きれい!」
包みを開くと、そこには、ベビーリングと、小さな銀のスプーンが入っていた。
部屋の明かりを受けて、なおキラキラ輝く。
りお「ベビーリングと、銀のスプーンだよ!」
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