親睦会

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ユキの身体には、痣や、みみず腫れした傷が多数あった。 月島「お前…」 ユキ「金持ちを謝らせるのって、快感!」 ユキは、笑いながら、脱ぎかけたドレスを着る。 月島「今の傷は…」 ユキ「言ったでしょ?色んな客がいるの」 月島「色んなって…」 ユキ「女を殴りながらヤらないと、イケない奴とか、縛った女を犯したい奴とか、ムチやロウソクも…」 月島「ふざけんな!」 ユキ「ふざけてなんかないわ。 こっちは生きるために、身体張ってんのよ」 月島「そういう客じゃないのを選べばいいだろ」 ユキ「金になんのよ。そういう客は」 月島「痛いだろうが」 ユキ「慣れるもんよ」 月島は、いつかの夜を思い出していた。 夜中に、ダイニングルームで突っ伏していたユキ 手首には、新しい痣があって… あの時 ユキは 痛みに耐えていたんじゃ… 新しく出来た、身体中の痛みに耐えて… 月島「命令だ。サイドビジネスを禁止する」 ユキ「残念。 プライベートなことには、口出さない約束よ」 その時、車が停まり、月島邸に到着した。 ユキ「明日は朝、何時?」 月島「いつもと同じだ」 ぶっきらぼうに答える月島を横目に、ユキは車を降りた。 その夜。 ユキは、ハンモックに揺られていた。 キレイな星空を見ながら、パーティーのことを思い出す。 ワイングラスが割れた時、自分のために怒った月島 ドレスの裾を拭こうとしてくれた月島 裏庭での会話に、 帰りの車内での会話。 痛くも痒くもないはずの月島が… とても、つらそうだった。 ユキ「本当に、金持ちって、馬鹿ばっかり」 ユキは、思い出したことを振り払うように、笑った。 その時、ユキの携帯が鳴る。 携帯の画面を見て、ユキは止まる。 そして、意を決したように、通話ボタンを押す。 .
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