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ユキ「もしもーし!先程は、どうも~」
社長「まさか、あんな所でユキに会えると思ってなかったから、驚いたよ」
ユキ「私も~!でも、会えて嬉かったぁ!社長は?」
社長「私も嬉しかったよ。それでまた会いたくて電話したんだ。
さっきのホテルに泊まってるんだが、来てくれるね?」
ユキ「もちろ…」
ユキの脳裏に、振り払ったはずの、さっきの月島がよぎる。
社長「ユキ?」
ユキ「……」
社長「どうしたんだい?」
ユキ「何だか、疲れちゃったみたいで…」
社長「癒してあげるよ。
来ないと、もう会ってあげないぞ」
ユキ「もう、社長ってば~!
分かりましたぁ。これから行きま~す!」
社長「いい子だね」
電話を切ると、何だか急に、身体が重たくなった気がした。
ユキは、ハンモックから降りると、化粧を始める。
今日は、本当に疲れてるのに…
今まで、ツラいと思ったことなんて、なかったのに…
何で、今日はこんなに…
適当過ぎるメイクを鼻で笑いながら、月島邸を出た。
外に出ると、寒気がする。
関節がかじかんで、痛い。
もっと痛い思いをしに行くのに。
ユキは笑った。
その頃、ユキの部屋に月島が訪ねて来ていた。
月島「ユキ、入るぞ」
月島は、部屋を見渡し、その後、バルコニーに出てみる。
ハンモックには誰もいない。
テーブルの上には、散らばった化粧品たち。
月島「あいつ!」
月島は、家を飛び出した。
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