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隙
やっと降りて来た、あの男は俺を見て、確かに「お先に」と、口だけで言った。
俺に対する、宣戦布告か。
絶対に、身分を明かして、潰してやる。
月島は腕時計を見る。
ユキが降りて来るのに、支度を整えて、1時間くらいはかかるだろうか。
月島は溜め息をつくと、ロビーのソファーに身体を沈めた。
しかし
2時間経っても、ユキは降りて来ない。
泊まるつもりなのか?
いや、仕事には穴を空けない奴だ。
おかしい。
何が起きてる?
ユキ。
降りて来い。
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