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月島の目に入って来たユキは、ドアにもたれかかりながら、倒れそうだった。
ユキ「な…なんなの?」
苦痛に顔を歪めながら、やっと言葉を発する。
月島は、悲しそうな、でも、どこか勝ち誇ったような表情をしていた。
月島「助けに来てやったんだ。嬉しいか?」
ユキ「誰がそんなこと頼んだ…よ」
ユキは、それを最後に意識を失った。
月島「ユキ!」
倒れていくユキを月島は支える。
月島「!?」
ユキは驚くほど熱かった。
月島「お前、熱あるんじゃないのか?
おい!ユキ!?」
息だけをして、青白い顔色のユキを抱きかかえて、月島は部屋のベッドに降ろす。
そして、執事に電話をした。
ベッドのシーツをよく見ると、擦れたような血が所々に付いている。
月島はユキの手首を見る。
縛られた痕が赤々とあり、腕は引っ掛かれたような傷が多数あり、血が滲んでいた。
身体は…と、洋服を捲ると、数え切れないほどのキスマークが点在していた。
月島は、奥歯を噛みしめながら、ユキの身体に触れる。
やっぱり、熱い。
そして、ベッドの枕元には、無造作にお金の束が置かれていた。
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