ユキの秘密

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ほどなくして、ユキはやって来た。 月島は、ユキに見られないように身を隠くす。 隠れる? 何をしている? 出て行けばいい。 出て行って、あいつの腕を掴んで 「何やってる?」 って言えばいい。 それだけのことが、何故… 出来ない。 ユキは、気付かずに病院の中に入って行く。 月島は、距離を置いて、ユキの後をつける。 ユキは、エレベーターに乗る。 月島は、エレベーターの止まった階を見て、階段で上がった。 上がった先は、病棟だった。 ユキを探して歩いていると、ナースステーション前で、面会名簿に名前を書いているところだった。 月島は、身を隠す。 看護婦「あら、ユキさん。毎日、ご苦労様」 ユキ「いえ」 そこへ、一人の高校生くらいの女の子がパジャマ姿で、点滴棒を引きながら近付いて来る。 ストラップが沢山付いた携帯を持った、茶髪の女の子。 「あ、また来たの?」 ユキ「何度来ようが、私の勝手でしょ?」 「いいけど、マニキュア塗ってくんない?」 ユキ「またかよ」 「剥がれてるし。とっくに」 ユキ「待ち合いで待ってな」 「りょーかい」 ユキは、面会名簿に名前を書き終わると、待合室に向かった。 あの子の面会か? 月島は、ユキが書いていた面会名簿を見に行く。 月島「!?」 .
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