序章

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月島は、夕食の席につく。 そこには、メイド姿のユキと、執事がいる。 ユキ「食前酒です」 月島の前に食前酒が置かれる。 月島「少しは笑ったらどうだ?」 ユキの無表情は変わらない。 月島「笑顔やら、微笑みってのは、女性の武器だろ?」 ユキは、作り笑いをする。 ユキ「あいにく、持ち合わせておりませんので」 月島「ふっ…。まあいい」 月島は、食事の手を進める。 その後も、ユキが微笑むことはなかった。 しかし、ワインを出すタイミングや、デザートのタイミングなどは、ピッタリだった。 月島は考える仕草をする。 執事「何か?」 月島「馬鹿ではないらしいな」 執事「は?」 月島は鼻で笑うと、立ち上がる。 月島「ユキ、後でハーブティーを持って来てくれ」 ユキは溜め息をつく。 ユキ「はいはい。かしこまりました」 執事「ユキ」 咎めるような執事の表情に、ユキは面倒くさそうに言い直す。 ユキ「かしこまりました」 そして、食事2時間後… 月島の部屋に、ノックの音が響く。 ユキ「失礼します。お茶をお持ちしました」 ユキは無言で、ハーブティーのセッティングをしていく。 月島「慣れたか?」 ユキ「今日の今日ですから、まだ」 ユキは淡々と答える。 ユキ「では、ごゆっくり。 終わる頃に片付けに参ります」 月島「今日はもういい。休め」 ユキ「かしこまりました」 ユキは月島の部屋を後にした。 .
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