仲直りのクルージング

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ユキ「シャンパンをお持ちしました」 パラソルの下で、ビーチシートに横になる咲と真央にユキは声をかけた。 真央は、サングラスをかけ、その表情は伺い知れない。 咲「ありがとう」 咲は起き上がると、ユキに微笑みかける。 真央は、身動きひとつしない。 それでも、咲の笑顔に安心してしまう。 ユキ「咲様。あの日のこと…」 咲「気にしてないよ」 ユキ「いえ、でも、ちゃんと謝罪を」 咲「確かに、翔のこと、すごく心配したけど、翔はちゃんと私のところに帰って来てくれたし、大丈夫」 ユキ「本当に、申し訳ありませんでした」 真央「私は許せないわ」 ユキの方を見ようともしない真央は言い放つ。 真央「犯罪を犯した人が、何で今ここにいるのよ? 何が入ってることやら、危なくて、このシャンパン飲めやしないわ」 その時、真央のグラスが持ち上がる。 グラスを持ったのは月島だった。 月島は、一気にシャンパンをのみほす。 月島「いつまで待たすつもりだ。喉が渇いた」 咲は、ユキを見つめて微笑む。 咲「真央さんの言ったことは気にしないで。この人、部外者だから」 真央「ちょっと!咲!」 怒った顔で起き上がる真央に、咲は笑う。 咲「やっと起きた! また、海で泳ごうよ!真央さん!」 真央「はあ!?何で、そうなるのよ!?」 咲「泳いでくれないと、シャンパンかけますよ?身体に」 真央「意味分かんないわよ!」 咲「だって、そうしたら、洗い流すために海に入るでしょ?」 ぎゃあぎゃあ騒ぐ二人を見て、ユキは微笑んでいた。 そして、そんなユキを月島は見つめていた。 .
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