離れる心 ~月島の想い~

3/4
前へ
/207ページ
次へ
月島「今から行く相手は、お前にいくら出す?」 ユキ「そんなの関係な…」 月島「そいつが出す金額の倍、出す」 ユキは動揺した目をする。 ユキ「…何言ってんの?」 月島「倍額出す」 月島は、ユキをまっすぐ見て言う。 月島「俺に買われろ」 ユキ「冗談はやめて!」 月島「いくらだ?」 ユキ「やめてよ。あんたに買われたくなんかないわ!」 月島「何故だ?金になるほうがいいだろ?」 ユキ「どんな額になるのか、知ってて言ってんの!?」 月島「じゃあ、決まりだな」 月島は、ユキを抱えると、自分の肩に担いで、月島の部屋に向かった。 ユキ「ちょっと!降ろしてよ!!」 月島は、自分の部屋に入ると、ベッドの上にユキを降ろす。 そして、自分のデスクの引き出しから、小切手を出すと、少し考える表情をする。 ユキ「やめてよ。どこまで本気なの?」 月島は、ペンを走らせた。 そして、1枚ちぎると、ユキに向かって差し出す。 月島「こんなもんでどうだ?」 ユキ「やめてってば!!」 月島「何故だ?あの社長とやらが良くて、俺が駄目な理由が分からない」 ユキ「あんたは、そんな奴じゃない!」 月島は、自分の上半身を脱ぐ。 月島「脱げ」 ユキ「嫌!」 月島「脱がしてもらうほうが好きか?」 月島は、ユキの服に手をかけて、脱がし始める。 ユキ「やめて!」 ユキの身体が露になり、ユキは布団で隠す。 月島は布団を掴むユキの手を掴んだ。 ユキは、涙目で月島を見る。 月島「客の言うことが聞けないのか?」 冷たい目の月島に怯むことなく、ユキは言う。 ユキ「あんたは、そんな奴じゃない!」 月島「買いかぶりだ」 ユキ「違う! そんな目をする男じゃない」 月島「何を信じてる?」 ユキと月島の間に沈黙が流れる。 月島は、ユキを押し倒す。 ユキ「やっ…」 月島に唇を這わせられながら、ユキは声にならない声で叫ぶ。 ユキ「あんたを…月島琉生を信じてるっ!」 月島が止まった。 .
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

74人が本棚に入れています
本棚に追加