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ユキは、夜の公園でブランコに座っていた。
寝る場所がないことなんて、今までにも何回もあった。
殴られることもあったし。
別に、どうってことない。
ただ…
ただ…
今まで…
「目を覚ませ。
ユキ、お前は生きてる。一人なんかじゃない」
「どうしたら、お前の傷を癒すことが出来る?
俺に何が出来るんだ?教えてくれないか?」
「お前も、そうだ。
お前も、そんな奴じゃない。
俺もお前を信じてる」
あんなこと言われたことなくて…
そういうのには、慣れてなくて…
だから、嫌い。
人の温かさは、消えるから。
だから、嫌いよ。
ユキは、ブランコに座ったまま、自分の膝に顔を隠した。
そして、それから
ユキは姿を消した。
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