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蒼井「大体、何でクビにしたの?理由は?」
月島「悪事を働いたからだ」
蒼井「…悪事ねぇ」
蒼井は、再び報告書に目をやる。
窃盗、売春動機「兄の生計を補助するため」
傷害動機「第三者による、友人に対する暴言に対し、逆上」
蒼井「ユキちゃんが悪事を働く時って、必ず、誰かのために、だねぇ」
月島は止まる。
蒼井は、報告書の前科の動機欄を月島に見せる。
月島「……」
蒼井「て、ことは」
蒼井は、月島に無邪気な笑顔を向けた。
蒼井「今回のユキちゃんは、誰のために、なんだろうね!?」
月島「まさか」
月島は立ち上がる。
月島「まさか!」
蒼井は、微笑みながら言う。
蒼井「探してあげよっか?
もう一回言うけど、僕、人探すの、すごい得意なんだよね~!」
月島「ウチのパソコンを使ってくれ!」
蒼井「ノンノン~。
こんな一般家庭のパソコンなんかじゃ見つけられないよ~」
蒼井は立ち上がる。
蒼井「何か、ユキちゃんの手掛かりないの~?」
月島「アイツの荷物が、そのままになってる。何か、あるかもしれない…」
蒼井「じゃ、漁ろっか!」
月島と蒼井は、ユキが使っていた部屋に行く。
部屋の扉を開けて、二人は止まる。
月島「アイツの荷物は?」
蒼井「ん?それは、こっちが聞きたいねぇ」
月島は、バルコニーに出る。
月島「ない」
蒼井「何が?」
ハンモックが
ない。
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