ユキを求めて

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龍神会… 大手企業を悩ます会。 いや、組と言った方がいいか。 大手企業には、ヤクザが付き物だが、龍神会はルールを無視するヤクザの風上にもおけない組だ。 荒っぽい手口で、様々な企業を始めとして、欲しいものは手に入れていく。 月島「相手がどんな奴でも、俺はユキを迎えに行く」 それくらい、俺のしたことは、罪深い。 翔「しかし、素人が下手に手出しをしない方がよろしいかと」 月島「頼める相手がいないこともないが、巻き込みたくはない」 翔「大神様ですね」 月島「あぁ」 翔「私にも、大神様のところに、古くからの友人がおりますので、聞いてみます。 確か、龍神会は大神様が壊滅させたと伺ったので、その辺の確認も含め」 月島「すまない」 翔は微笑む。 月島「何だ?」 翔「失礼致しました。 月島様の謝る言葉を初めて聞いたもので」 蒼井「変わったよな~、こいつ」 月島「うるさい。早くユキを探せ」 蒼井「はいはい。 まずは、出国記録から調べるか。 達也~!」 ドアから達也が入って来る。 達也「お呼びでしょうか」 達也も、意外なメンバーに不思議そうな表情をする。 蒼井「昨日の夜から、今までの出国リスト持って来て~」 達也「少々、お時間が」 蒼井「うん。分かってる~。なるべく急いでね~」 達也「かしこまりました」 翔は携帯を片手に部屋から出て行く。 階段の端で、電話をかける。 榊「もしもし」 翔「瀬名です」 榊「久しぶりですね」 翔「はい。 ひかるさんは、お元気ですか?」 榊「あぁ。今、学校に通ってるところです。 自分の夢を見付けたようで。 心配ですが…不思議と嬉しいものですね。 そちらは? 翔のお姫様は、お変わりありませんか?」 翔「おかげさまで」 榊「では、この電話の用件は?」 翔「龍神会のことです」 電話の向こうで、空気が変わった。 .
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