74人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後、榊から連絡が入る。
榊「翔さんから、頼まれた件ですが、残念ながら、ユキさんは、あの男の元には、いらっしゃいませんでした」
電話を受けた月島は、溜め息をつく。
月島「そうか。ありがとう」
榊「しかし、収穫が。
あの男、ユキさんを脅していたことが分かりました。
ユキさんは、今までのことをバラされると、あなたに迷惑がかかると考えて、あなたに嘘をついたようです。
あの男を愛してる、と」
まるで、心臓を捕まれたような苦しさを感じて、月島は言葉をなくす。
榊「大丈夫ですか?」
月島「あぁ。…馬鹿だな」
俺が、そんなことに、そんな男に屈すると、本気で思ったのか?
お前に守られるなんて。
馬鹿だな。
一番、馬鹿なのは俺で
未だに、ユキの幻を見る。
必ず探してみせる。
必ず連れ戻す。
そして、もう離さない。
.
最初のコメントを投稿しよう!