御方讃歌

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パパに会うのは1年ぶりだったりする。 毎年誕生日になると、長ーい長ーい廊下を歩くパパのぱしっ、ぱしっとキレのいい足音に私は耳をすませる。 パパはあの薄暗い部屋では決してあるはずの無い異国の空気を連れてやって来る。 だから、がちゃりとドアが開いた瞬間、私はパパと別世界の人間だと否応なしに思い知る。 異世界の新鮮な空気が部屋を包み込む。 パパは花を渡すと、また後で。と部屋を出た。
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