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俺って自由奔放だから、誰かの指図受けるとか嫌いなんだよね。
なのに今の俺って…ちょっと情けない、かも。
早く前までの生活に戻りたいなー。
第四話 生徒会の仕事は絶対やりません。
「葎、早速仕事だ。明日来る転校生の迎えと学園案内を頼む」
「やだ」
可愛いチワワ君達が行けと目で訴えてくるから、仕方なく生徒会室に来た直後のこと。
にこやかな顔で即答した俺に会長はただフッと鼻で笑っただけだった。
「葎、断ったらどうなるか・・・分かるよな?」
「・・・チッ。分かった。いけばいいんでしょ、いけば」
「ふむ・・・素直すぎてつまらんな」
「腐れ外道め」
本当にバ会長の声がもっと俺好みじゃなかったら良かったのに。
何て思っても仕方ないので、わざとらしく大きなため息をついた。
・・・あ、幸せがひとつ逃げた。
「まぁいい。転校生の名は笹崎来世(ササザキ クルセ)。
葎のクラスに転入することになる。
まぁそこまではいい。・・・一番の問題は、だ」
会長はあまり芳しくない顔で書類を睨んだ。
・・・まぁこんな時期に転校だもんね。
普通ではないんだろうなー。
そんな質面倒なのを俺に押し付けようとするとか・・・。
会長なんてやっぱり大嫌いだ。
「・・・そいつ理事長の甥らしい」
思ってもいなかった爆弾発言に、俺はフリーズすることしかできなかった。
・・・理事長の、甥?
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