第五話 生徒会の皆は色々濃すぎます。

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会長ってつかみどころないよねー。 今まで冷たくあしらってきたのに急に親切になってさ。 俺どう反応していいかわかんないよ…。 第五話 生徒会の皆は色々と濃すぎます。 痛みも収まって、俺は何故かソファーで会長の隣に座らされている。 あの扉激突事件の後、少したんこぶになってしまったみたいで、生徒会室にある冷蔵庫(この糞金持ちどもめ)から冷えピタをもらって額に貼ってもらった。 …バ会長に。 そのままの流れで一応自己紹介をしようと全員向かい合わせのソファーに座ったんだけど…。 「…」 気まずいことこの上ないよね。 会長は何故か急に親切になったけど、ほかの人はまだ俺を信じていないみたいでひどく嫌そうな顔で俺を睨んでる。 会長をチラ見すると、心配するなとでも言うかのように微笑むだけだし。 「まぁ、そういうわけで、だ。本当は地位を与えるだけで何もさせない予定だったんだが…。それだと一般生徒からかなり批判があがるだろうと判断し、時々仕事を手伝ってもらうことになった」 そんなの初耳だぞバ会長。 「お前らはまだ信用ができないかもしれないが、話してみてこいつは悪い奴ではないと俺が判断した。まぁ猫みたいに自由奔放なところはあるがな」 会長俺に詳しすぎませんかー? ストーカーなんですかー? 「…まぁ、あそこまで証拠が揃ってしまえば仕方ないですね」 「……慣れる、がん、ば」 そこで副会長と書記が会長に同意を示した。 …さすが会長やってるだけあって信用はされてるみたい。 …でもさー? 俺抜きで話進めないでよね、全く。 「俺別に信用してもらうつもりはないよ?」 「葎」 会長が俺を制するかのように顔をこっちに向けるけど、しったこっちゃありません。 俺だって言いたいことたくさんあるんですよーだ。 「だってさ、俺だって今まで悪者だと思っていた人が急にいい人でしたって言われても信用できないもん。どれだけ証拠を固められてもねー」
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