奇跡の村

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１２月の信州は寒い

高校に着いたら仲良しな唯が近づいてきた

「奈央、おはよー。今日は卓巳とこなかったの？」

唯は小学生からずっと仲良しなお友だち

大体小中から一緒なお友だちが多い

大概の同窓生は知り合いで。この時期になるとどこの誰がどんな進路に進むか大抵知っている

村の噂は早くて

私が今日卓巳と来なかったことはきっと皆知っている

「卓巳と朝少し喧嘩？みたくなった」

「喧嘩？まあ、夫婦の言い合いみたいなもんか」

「夫婦って、別に私と卓巳はそんな関係じゃないし。
ただの友達だしね」

「はは、卓巳可愛そう。鈍感奈央だからなあ」

「向山さんがまた、来たの。
それについてさ、関心ない態度したら卓巳が怒ったんだよ。意味わかんない。

大体父ちゃんもなんでいろいろ反対されてんのに一生懸命なのか分からない。意味の分からない企画書ひっさげてレタス栽培の人達の意見を聞けばいいのに。
大体こんな田舎に24時間やってる施設なんて必要？」