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キーンと冷えた空気で目を冷ました。だだっぴろい部屋は全ての窓が完全に施錠してあったとして も、空気が張り詰めるほど、寒く。また毛布にくるまる。 「奈央ー、学校遅れちゃうわよ。早く起きなさい!」 遠くの方で母が私を呼ぶ声がするのだけれど、起き上がる元気も返事する元気すらでない。 母の足音か近づいてくる音がする ガラッと大きな扉を開けて容赦なく布団がめくられた。 一気に冷気が流れ込み眠気はさめた。 寒くて寒くて… 「奈央、遅刻する気なの?卓ちゃん呼びにくるわよ」 「寒いし、動きたくない」 「なに言ってんの?長年この村に住んでるんだから慣れなさい」 母はけたたましくまくしたてて、隣の部屋に向かった。 .
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