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「跳躍魔導砲はいつでも撃てるか?」
皇帝エアハルトは帝国軍総参謀長ヒルデブラント・ブルーメンタール大将に尋ねた。
ヒルデブラントは今年で39歳を迎える男で、数多の戦いに参加して負けたことがなく、そのためこの歳で軍部の実力者となった。
「はい。どこに向けて撃ちますか?」
「1時方向だ。あそこから来る圧力を軽くしたい」
「了解しました」
ヒルデブラントは通信手に指示を首都の砲台に伝えるよう命じた。
「そういえば防衛第4,5艦隊はどうなった?」
「両艦隊の指揮官は戦死した模様。残存戦力はこちらに向かっています」
「残存戦力はこちらの旗下に置く」
「そう伝えておきます」
「それと目前の戦況の話だ。わが軍の右翼が危険だ。後ろに下げろ。中央と左翼は前進して敵の陣形を乱れさせる」
手元の戦術コンピューターの画面に一部だけ後退し、他は前進する青い凸と、たくさんの赤い凸が青の動きに対応している。
「もうひとつ報告です。今日の日没後に第3、4、7、12艦隊がグニパヘリル渓谷に、第8、9、10、11艦隊がヘルグリンド平原に展開する王国軍を攻撃できるとのこと」
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