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「陛下、グニパヘリル渓谷に王国艦隊が接近しているという情報がありますが、いかがいたしますか?」
報告を受けている人物は金髪碧眼で、つやのある肌を持った若者だ。
彼の名はエアハルト・フォン・バスラー。
ニブルヘイム帝国の現皇帝だ。
皇帝だからといって、王宮に籠るようなタイプではない。
彼は現在首都にはいるものの、王宮ではなく空中戦艦のブリッジにいる。
「予が現場に行きたいところだが、王国の主力と思われる艦隊がすぐそこまで迫っている以上、動くことができない。現地の守備部隊に任せる」
「御意」
それだけ言うと、報告者は下がった。
エアハルトは手元のモニターを見た。
そこには帝国軍と首都近辺に展開している王国軍を表示している。
帝国軍よりも王国軍の方が数で勝っている。
ただし、これはわざとこのようにしている。
すべては王国軍を殲滅するために。
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