215人が本棚に入れています
本棚に追加
「帝国艦隊及び地上部隊が探索魔法の網に引っ掛かりました。敵の現在地は渓谷の向かい側、規模は首都防衛4,5艦隊の2個艦隊と、その指揮下の4個師団です」
グニパヘリル渓谷から数キロ離れた地点でラッシからそのようなことを聞いた。
「なお、21時間後にはこちらに増援部隊が派遣されるので、敵を発見した場合は増援到着まで現地で待機してもいいとのことです」
「そうか……敵の戦力は2倍である以上、こちらから手出しはできないな。こちらの指示があるまで待機するよう通達してくれ」
「わかりました」
ラッシが命令を伝えに行っている頃、渓谷に布陣している帝国軍は迫る王国軍をどう対処するか話していた。
首都防衛軍第4艦隊司令官ベーア中将は同じく首都防衛軍第5艦隊司令官のカペル中将に無線を通じてこう言った。
「援軍の存在が確認されている以上、こちらの半分でしかない敵を今のうちに叩いておいた方がよいのではないだろうか?」
「提案には賛成だが、どうやって撃滅する?」
「2手に分かれて渓谷の外縁部に沿って挟み撃ちにすればいい」
「敵に守りを固める時間を与えないために、行軍速度は速い方が良いと思うが、どうだろうか?」
「そうだな。採るべき手が決まれば早速行動だ。貴官は右から回ってくれ」
「承知した。貴官の健闘を祈る」
最初のコメントを投稿しよう!