歳三の葛藤

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千景との共同生活が始まって1週間。 千景は約束通り、1日の大半を猫の姿で過ごした。 俺も総司も隊務で屯所を空ける時は、押入れの中で昼寝、が習慣になりつつある千景。 俺にとっちゃあそれが一番なんだが、それのせいで、千景は少し太ったらしい。 確かに腹の辺りが多少… とは思うが、勿論口には出せねぇ。 そんな事を言えば、また『なんちゃらカシーがない!』と罵られるに決まってる。 大体なんで千景が異国の言葉なんぞを知ってんだ? そもそも、なんちゃらカシーが異国の言葉かどうかも知らねぇが。 聞いてしまえば、あいつの… 千景の記憶に触れてしまいそうな気がして。 俺は、なんとなく怖くて聞けずにいた。
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