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『ここは…どこ?』
『んー、僕達の家…かな?』
凄く立派な屋敷だった。
あたしがいたお寺からほんとちょっとの距離。
こんなに近くに総司くんは居たんだ。
そう思うと少しだけ嬉しくなった。
『少し暗いし寒いけど、ちょっとだけ此処で待っててね』
総司くんは今からこの家の偉い人に、あたしを紹介してくれるらしい。
絶対大丈夫だって総司くんは言ってくれたけど、
あたしは不安で胸が一杯だった。
『その人は、あたしをきもちわるがらない?』
『ふふ。大丈夫!あの人、すっごく優しいから。僕なんて比べものになんないくらい!』
子供の様におちゃらけた表情でそう話す総司くんを見たら、その人のことを本当に好きなんだなぁって思った。
だから、あたしは少し、安心した。
『僕はお偉いさんを連れて来るから、僕が呼ぶまで絶対に出ちゃ駄目だよ?わかったね?』
そう言うと、総司くんはこの暗くて寒いとこから出ていった。
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