2…卒業

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柳瀬 春風(やなせ はるか)。 15歳。 本日私は、中学を卒業します。 4月からは、いよいよ高校1年生。 楽しみです! 今は、校長先生の長い長いお話しを聞いております…。 「お尻…いたい。」 「ちょっと!モゾモゾしないの。」 コソコソ話し掛けて来たのは、幼稚園から一緒の、桐山 百合(きりやま ゆり)。 百合も私と同じ高校に通うんだ。 「話し長すぎ。」 「そんな事言わない。」 何だか、お母さんみたい。 「はぁい。」 そうしてやっと、眠たさも我慢して卒業式を終えました。 何だかんだ言っても、終わってみるとやっぱり寂しい。 そんな気持ちを抱えながら教室に戻り、担任の先生が来るのを、クラスの皆で話しながら待った。 「卒業は寂しいけど、春風には楽しみがあるじゃない。」 ニヤリと笑う百合。 「やっと会える。」 「ちゃんとケジメ着けなさいよ?」 「うん。」 私と百合が話していると、皆から応援された。 クラスの皆は知ってるからね。 すると、 「いつまでも、ウジウジしてんじゃねぇよ?」 「解ってるよ!」 この口煩い男は、私と百合と幼稚園から一緒の、佐山 春樹(さやま はるき)。 実は、春樹も同じ高校に通うんだよね。 なんたる偶然…。 「さっさと行動しろよ!」 「もぉ!解ってるわよ!煩いな!!」 本当…春樹ってば!私のお父さんみたい…。
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