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4月。
今日から私は、桜高校に入学する。
桜高校は、体育館の入口から入場すると言うシステムは無く、職員の先生達が誘導し、席へと案内してくれる。
私と百合は隣同士になり、ソワソワしてる。
なぜなら百合が、ある人を探す為に後ろを振り向き、キョロキョロしているからです。
「ちょっと百合…。」
「何よ。」
「恥ずかしいから、前見てよ。」
「あんたも探しなさいよ!」
逆に怒られた私…。
「もぉ…。」
はぁ…とタメ息を吐いた時、百合が私の肩をバシバシ叩いて来た。
痛いです…百合さん。
「いたよ!久我先輩!!」
ドキッ!
「どどどどこ!?」
「動揺し過ぎ。」
百合にからかわれながらも、それをスルーして教えてもらう。
「右側の列が2年生だから、右から3列目の前から4番目。
見付けた?」
「あ…居た。」
「良かったね。」
「でも、やっぱりモテるのは変わらないね。」
少し肩を落として前を向く私に、百合は笑った。
「覚悟はしてたでしょ?」
なんて。
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