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「久保山正義、8月10日、午後3時28分16秒生まれ。身長168㎝、体重54.6kg。面倒なことを嫌い、生まれてから30秒後泣き始める。親友は荻原龍之助、姫宮颯士。3歳の頃からの幼馴染みは、林道彩葉」
………流石に鳥肌立ったね。
だって、有り得ないだろ。なんで全部当たってんだ。何で全部知ってるんだ。
城ヶ崎は、僕を見た。何だそれは。ドヤ顔か?ドヤ顔なのか?こうゆう時、どんな反応をすれば一番現実的なんだ。
「城ヶ崎…それ、誰に聞いたんだ?」こんなもんか?
「誰にも。エメには分かる」
言うと思った。
「じゃぁ何だ、お前はあれなのか?超能力者なのか?」
「違う」
「じゃぁ、宇宙人?」
「違う」
「じゃぁ何なんだ。頼むから教えてくれ」非現実的な答えが返って来ても、僕は信じないだろうけど。
「此処では、不特定多数の人間に、正体がバレる。だから、言わない」
そう来たか。
「ならいつならいいんだ。放課後か?」
「それなら、いい」
……そんなこんなで、僕と城ヶ崎は放課後の誰もいない教室に居るのだが。
教室内は綺麗なオレンジ色に染まっている。
だがそんなこと、今の僕にはどうでも良かった。
目の前には、腹を開けて体内を見せている城ヶ崎の姿があった。思わず、持っていた通学鞄を床に落とす。ヤバい、春にも関わらず手汗が凄いことになっている。
……人間じゃ、なかった。
超能力でも、宇宙人でもなかった。
城ヶ崎の〔中〕は、偉い綿密で、赤やら青やら黄色やらのカラフルなコードが何本も通っていた。グゥワングゥワンと、小さいながらも一定のリズムで機械の動いている音が聞こえる。
城ヶ崎は無表情のまま腹部を元あった通りに直すと、静かに言った。
「これがエメ。宜しく、せいぎ」
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