5人が本棚に入れています
本棚に追加
まず、何が起こったのか、状況を整理しよう。
・僕は片篠からの手紙を龍之助に渡した
・龍之助は手紙の内容を見て片篠に返してきてくれと言った
・僕は片篠に手紙を返しに行った
・片篠は要らないから捨てていいと言った
・手紙を捨てに行った
・城ヶ崎が僕に「離れて」と言った
・僕が離れた途端、ごみ箱が爆発した
……こんなもんか?
城ヶ崎が教えてくれなければ、僕は確実に爆発に巻き込まれて、死にはしなくても大怪我を負って病院に搬送されていただろう。
最悪だ。サイボーグ少女に借りを作ってしまった。いや、それよりも、ごみ箱に爆弾仕掛けたの、片篠だよな?さっきの目は、異常だった。鳥肌ものだ。「ちっ、失敗したか」とか言わんばかりの冷たい表情だった。
「正義、城ヶ崎さん、大丈夫!?爆発巻き込まれなかった!?」
彩葉が金髪のツインテールを揺らしながら僕に近寄って来た。巻き込まれてたらここに立っていられる筈無いだろうに。
「あぁ、大丈夫だ」
とりあえずそう返答しとく。
「良かったぁ~…近くにいたからもぉビビっちゃったよ」
ビビるなんて単語女が使うな。
「城ヶ崎さんは?」
「エメは大丈夫。それより、正義、危ない」
「え?危ないってどゆこと?」…おい、この女に余計なこと言わんでくれ。面倒が増す。
「いや。別に何でも無い。城ヶ崎は妄想が趣味だから…」
「正義、狙われてる。命、危ない」
「えぇっ!?正義、それってどーゆうこと!?」
言わないでくれとあんなに願ったのに。なんて無慈悲な。
僕はこめかみを掌で押さえながら、盛大な溜め息をついた。
「そんなの、僕が一番知りたいんだが」
「ねぇねぇ、どーゆうことよ!?」僕の話聞いてるか?
「だから、僕も知らん。大体、そんな訳も分からん空想的な話についていけるか」
「何よそれ、あんたよくそんな悠長なこと言えるわね!?」
「お前が純粋過ぎるんだ」
「狙われてるの、正義だけじゃない 荻原龍之助も、危険」
城ヶ崎が割って入ってきて、その言葉にまた彩葉はオーバーなリアクションを取った。
「龍之助も!?ヤバいじゃないそれっ!!」ヤバいの定義が知りたい。
「ちょっとちょっと、龍之助!!こっち来て!!」
「ん~?」
…なんか、城ヶ崎の席に集まって会議みたいなものが始まってしまった。何だこの、面倒臭い状況は。
最初のコメントを投稿しよう!