◆第1章◆

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まず、何が起こったのか、状況を整理しよう。 ・僕は片篠からの手紙を龍之助に渡した ・龍之助は手紙の内容を見て片篠に返してきてくれと言った ・僕は片篠に手紙を返しに行った ・片篠は要らないから捨てていいと言った ・手紙を捨てに行った ・城ヶ崎が僕に「離れて」と言った ・僕が離れた途端、ごみ箱が爆発した ……こんなもんか? 城ヶ崎が教えてくれなければ、僕は確実に爆発に巻き込まれて、死にはしなくても大怪我を負って病院に搬送されていただろう。 最悪だ。サイボーグ少女に借りを作ってしまった。いや、それよりも、ごみ箱に爆弾仕掛けたの、片篠だよな?さっきの目は、異常だった。鳥肌ものだ。「ちっ、失敗したか」とか言わんばかりの冷たい表情だった。 「正義、城ヶ崎さん、大丈夫!?爆発巻き込まれなかった!?」 彩葉が金髪のツインテールを揺らしながら僕に近寄って来た。巻き込まれてたらここに立っていられる筈無いだろうに。 「あぁ、大丈夫だ」 とりあえずそう返答しとく。 「良かったぁ~…近くにいたからもぉビビっちゃったよ」 ビビるなんて単語女が使うな。 「城ヶ崎さんは?」 「エメは大丈夫。それより、正義、危ない」 「え?危ないってどゆこと?」…おい、この女に余計なこと言わんでくれ。面倒が増す。 「いや。別に何でも無い。城ヶ崎は妄想が趣味だから…」 「正義、狙われてる。命、危ない」 「えぇっ!?正義、それってどーゆうこと!?」 言わないでくれとあんなに願ったのに。なんて無慈悲な。 僕はこめかみを掌で押さえながら、盛大な溜め息をついた。 「そんなの、僕が一番知りたいんだが」 「ねぇねぇ、どーゆうことよ!?」僕の話聞いてるか? 「だから、僕も知らん。大体、そんな訳も分からん空想的な話についていけるか」 「何よそれ、あんたよくそんな悠長なこと言えるわね!?」 「お前が純粋過ぎるんだ」 「狙われてるの、正義だけじゃない 荻原龍之助も、危険」 城ヶ崎が割って入ってきて、その言葉にまた彩葉はオーバーなリアクションを取った。 「龍之助も!?ヤバいじゃないそれっ!!」ヤバいの定義が知りたい。 「ちょっとちょっと、龍之助!!こっち来て!!」 「ん~?」 …なんか、城ヶ崎の席に集まって会議みたいなものが始まってしまった。何だこの、面倒臭い状況は。
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