プロローグ

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8月10日、午後3時28分16秒。生まれてすぐ、僕は泣かなかったらしい。それは多分、面倒臭かったからだろう。泣かなかった為医者や看護婦は慌てふためいたが、至って僕の身体は正常で、現在に至るまで病気なんてしたこともない。(風邪は別だが) とにかく僕は、面倒臭いことが嫌いなのだ。 幼稚園に行くのも面倒臭くなって、庭にあった犬小屋に隠れていたこともあるし、小学校に6年間も通うのが馬鹿らしくなって、校長に辞表を突き付けたこともある。受験も面倒臭かったから名前だけ書ければ入学出来る高校に入学して、取り敢えず面倒臭いことは全て回避しようとしてきたつもりだ。 でも、高校2年に進級して、ついに気付いた。 とにかく人生は、何かと面倒臭いことばかりだ。ってゆうか、面倒臭くないこと等無いのではないか。と。 だから僕は、
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